経営事項審査の点数計算を解説|初心者向けに点数UPのコツを紹介

目次

概要説明

経営事項審査(いわゆる「経審」)は、公共工事の入札に参加するために必要となる制度であり、建設業者の経営状況や技術力などを数値で評価する仕組みです。

この審査の結果として示されるのが「総合評定値(P点)」です。P点は単なる点数ではなく、企業の規模や財務内容、技術力、社会性などを総合的に評価した指標であり、入札参加資格や競争力に大きく関わります。

一方で、初めて経審を検討される方にとっては、「X1やYとは何か」「どのように計算されるのか」といった点が分かりにくい部分でもあります。

この記事では、経営事項審査の点数がどのような仕組みで計算されているのかを、できるだけ分かりやすく整理して解説します。

前提条件

経営事項審査の点数計算を理解するうえで、まず押さえておきたい前提があります。

経審は5つの評価項目で構成されている

経審では、次の5つの項目をもとに点数が算出されます。

  • X1:完成工事高(売上規模)
  • X2:自己資本額・利益額(財務基盤)
  • Y:経営状況(財務分析)
  • Z:技術力(技術者・元請実績)
  • W:社会性等(法令遵守や労務環境)

それぞれ異なる観点から会社の力を評価しており、一つの要素だけでなく、バランスよく判断される仕組みになっています。

総合評定値(P点)は加重平均で算出される

P点は単純な合計ではなく、各項目にあらかじめ定められた「重み(割合)」を掛けて計算されます。

P=0.25X1​+0.15X2​+0.20Y+0.25Z+0.15W

この式から分かるように、要素によって配点が異なるのが特徴です。

  • 完成工事高(X1):25%
  • 技術力(Z):25%
  • 経営状況(Y):20%
  • 自己資本等(X2):15%
  • 社会性等(W):15%

つまり、売上規模や技術力が重要視されつつも、財務や社会性も含めた総合評価となっている点が特徴です。

費用・期限

経営事項審査の点数計算そのものに費用が発生するわけではありませんが、実際に経審を受けるためには一定の費用とスケジュールを考慮する必要があります。

主な費用の考え方

経審に関連する費用としては、主に以下が挙げられます。

  • 経営状況分析の手数料(登録分析機関へ支払い)
  • 経営規模等評価申請・総合評定値請求の申請手数料
  • 決算変更届の作成・提出に関するコスト

また、行政書士に依頼する場合は別途報酬が発生します。

有効期間とスケジュール

経審の結果(P点)には有効期間があります。

  • 有効期間:審査基準日から1年7か月

そのため、公共工事への参加を継続する場合は、毎年決算後に経審を受けるのが一般的です。

点数計算の理解だけでなく、スケジュール管理も重要なポイントになります。

メリット

点数の仕組みを理解できる

経審の点数計算を理解することで、「なぜこの点数なのか」が分かるようになります。

例えば、

  • 売上はあるが点数が伸びない
  • 技術者が多いのに評価が低い

といった場合でも、どの項目が影響しているのかを整理して把握することができます。

制度を正しく理解することで、結果に対する納得感が得られやすくなります。

自社の強み・弱みが明確になる

P点は5つの要素で構成されているため、内訳を見ることで自社の特徴が見えてきます。

  • X1が高い → 売上規模が強み
  • Yが低い → 財務面に課題
  • Wが低い → 社会保険や制度整備に改善余地

このように、単なる点数ではなく「経営の状態を見える化する指標」として活用できます。

改善の方向性が分かる

点数の構造を理解すると、「どこを改善すればよいか」が見えてきます。

例えば、

  • 技術者の資格取得 → Z点の向上
  • 社会保険の整備 → W点の改善
  • 財務体質の改善 → Y点の向上

といったように、取り組むべき方向を整理しやすくなります。

ただし、項目ごとに影響の大きさや改善にかかる期間は異なるため、短期的な対応と中長期的な取り組みを分けて考えることが重要です。

入札戦略の判断材料になる

P点は、入札参加資格や等級区分に影響するため、どの程度の工事に参加できるかの目安になります。

一般的には

  • 約700点前後:平均的な水準
  • 800点以上:比較的有利
  • 1,000点以上:大規模案件の目安

といわれることがありますが、実際の基準は発注機関ごとに異なります。

そのため、自社のP点を把握することで、現実的に狙える案件の判断がしやすくなります。

バランスの重要性が理解できる

経審の特徴は、「一部が高ければ良い」という仕組みではない点です。

例えば、

  • 売上(X1)が高くても、財務(Y)が悪ければ評価は下がる
  • 技術者(Z)が多くても、社会性(W)が低ければ減点される

このように、全体のバランスが重視されます。

そのため、点数計算の仕組みを理解することは、日々の経営の方向性を考えるうえでも参考になります。

まとめ

経営事項審査の点数(P点)は、完成工事高・財務状況・技術力・社会性といった複数の要素を組み合わせて算出される総合評価です。

計算式自体は一見シンプルに見えますが、その中身は多くの評価項目から構成されており、内容を理解することで自社の現状や課題が見えやすくなります。

また、P点は入札参加の可否や競争力に直結するため、単に結果を見るだけでなく、「どのように算出されているか」を把握することが重要です。

制度の仕組みを理解したうえで、自社にとってどの項目が重要なのかを整理することが、経審への第一歩といえるでしょう。

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